公開: 2021年4月25日
更新: 2021年5月23日
1980年代の日本社会では、団塊の世代が社会の中心で働くようになり、住宅産業を始めとして、日本の産業は好景気に酔いしれていた。土地の価格は、直線的に上昇し、株価も東京証券取引所の日経平均株価で3万円を超え、直線的な上昇を続けた。
大学生にとっても、企業の慢性的な人手不足で、就職市場は売り手市場であった。円安基調が続いていたこともあり、日本製品は低価格でありながら、高品質であるとの評価を米国市場で確立していた。このこともあって、日本の貿易黒字は、増大一方であった。
1988年頃から、都市部での土地の価格が上がり過ぎたことが原因で、不動産の売れ行きが鈍り始めた。不動産を担保に、際限なく融資を行っていた銀行も、土地価格の伸びが鈍化し始めたことから、土地を担保とした融資を少しずつ減らし始めた。このことがきっかけで、東京証券取引所で、株価が下落を始めた。
東京証券取引所の日経平均株価は、3万円を超えて、4万円に近づいていたが、1989年12月の約3万9千円をピークにして、1990年10月には一時、2万円を割った。この景気後退現象を、日本のバブル崩壊と言う。